風の爽やかさを感じる風力発電とか

なんとなくですが。「村内の木を使って家具をつくる」と言うと、自然に優しい職人さんのお話が思い浮かびます。でも「村内の木を使って燃料にする」と言うと、自然破壊を顧みない悪徳業者がイメージされます。どうですかね?

それぞれで利用する木の量が違うからだったりするんでしょうか。燃料にするって考えると、少なくとも数トン単位で扱うことになりますが、家具だと立木数本単位だったりですからね。家具をつくるために山を裸にするぜ!みたいなことはなかなか起きませんが、燃料にするためにハゲ山になったりするのはよくある話ですし。

だからなのか、「木を活用しよう」という議題を設定すると、木製製品をどうやってたくさん作るか、どうやって高付加価値化していくか、なんていう話題で盛り上がるのが主な気がします。全然悪いことじゃないんですが。そもそもB2Bでの利用って何でもイメージ湧きにくいんですよね。普段生活してる中で直接に接するものじゃないし。

しかし、百年の森林事業で村内から出てくる丸太は、その多くが最終的にチップや合板になります。理由については以前にお伝えしたように、なかなかそのまま木材にすると工業製品としては困難な点が多いからです。そんなワケで、百森でのチップやらの利用について考えてるんですが、やっぱり価値を上げるのが難しそうで。

燃料としての価値って、コストやロジスティクス以外にはあまり出てこないんです。たとえば発電に使うとした場合。電気って、その原料が原子力だろうがガスだろうが太陽光だろうがバイオマスだろうが、同じじゃないですか。「ああ、やっぱり木質バイオマスの電気で光るLEDは綺麗だなー」とか聞いたことないですし。

そんな中でも原子力はやはりそれに纏わるあらゆる人達の想いが強いので、色々と話題になりますが。それと同じほどの物語性を、木質バイオマスで作ることは果たしてできるのかな、とか考えています。最終消費者さんが「やっぱ木質バイオマスで作った電気を扱う電力会社がいいよね」となるような。それなら価値が上がる。

もしそういう方向を目指すのであれば、木を伐って燃料にするやつ=悪いやつ、みたいな話はひっくり返さないとダメですよね。薪程度だとみんないいね!って言うんですけど。チップになると急に眉間にシワが寄っていくので。

最終的には木の香りがする電気を開発するしかないですね。