ホタルみた日記

一昨日のよる急に近所のひとから電話がかかってきました。わりと厳しい人なので、何か粗相でもしたろうかと思いながら恐る恐る出てみると「ホタルがきれいだぞ」とのこと。恋人か!みたいな電話でしたが、いざ行ってみると、真っ暗闇の中で川の姿が浮かび上がるほどのホタル乱舞。ああホタルがいるなあ、とかじゃなくて、本当に目の前の空間全体に星を散りばめたような。

西粟倉村には吉野川四国三郎のほうじゃないです)の源流があるので、去年はわざわざその近く、山の方へヒメボタルを観に行きました。木々の間をたくさんの光がチカチカと明滅する姿に感動したものです。しかし自宅の裏に流れる川もまたゲンジボタルの鑑賞スポットだというのは知りませんでした。いるだろうな、くらいは思ってたけど。田舎は明文化されていない情報が多い。感謝。

都内でも一度だけわざわざ捕まえたホタルを鑑賞するというのに行ったことがあるけど、それの何倍ものホタルが家から徒歩1分。いわゆる地方のわかりやすい「豊かさ」というのはこういうとこですよね。あまりそういうことに無頓着に生きていますが、たまに噛みしめるのも良いなと思った次第です。

山をハックする

ハッカーと聞くとだいたいのひとは悪いイメージを持つと思います。IT系のひと、というかエンジニアなひとたちは猛反発するだろうけど。ウィキペディア先生を覗いてみるとこんな説明になってます。

ハッカー (hacker) とは主にコンピュータや電気回路一般について常人より深い技術的知識を持ち、その知識を利用して技術的な課題をクリアする人々のこと。

もともと「ハック」というのはナタで割るとか斬るとかそういう言葉で、ハッカーというのは普通の道路を使わずに道なき道を進んで近道したり、普通は見えないものまで切り込んでいく人なわけです。

本来の用途からの解放というのはとてもいい表現じゃないですか。西粟倉は「村」をハックしてる感がだいぶあります。僕は山をハックしていきたいなあと思う次第です。

以前から @yochang さんには「株式会社百森なんだから『森と関わる百の方法』とかやるべきです」と言われ続けてるわけですが、いいかげん手をつけないといけませんね。

かち割っていかないと。優しく、愛をもって。

作業工程表のスプレッドシートを公開しました

林野庁整備課が平成30年3月に公開した森林環境保全直接支援事業 環境林整備事業 作業工程表について、まとめ直しました。以下のGoogle Spreadsheetを御覧ください。

林業で必要な作業の単価計算を行う上で、ひとつ確認しておかなければならないのが国が想定している標準単価です。

細かく言うと各都道府県で指定はあるものの、その基礎は林野庁の公開している「森林環境保全整備事業における標準単価の設定等について」になります。

この中で作業にかかる人日を算出する「森林環境保全直接支援事業 環境林整備事業 作業工程表」というのが何度も参照されるのですが、これがPDFなので計算が非常に面倒くさい。

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電卓を出して都度計算するというのもオツですが、エクセルで自動的にざくざくと計算していきたい。噂だと都道府県によってはそういうのを用意してくれてるところもあるそうですが、僕のところでは無さそうでした。

なので、スプレッドシートにまとめなおした、というのが冒頭のものになります。これで計算がエクセルやらでできるので捗るはず!将来的には面積やら入力したら勝手に労務費が計算されるというものも公開していく予定です。

何かご質問等あればお気軽にご連絡ください。宜しくお願い致します。

いちばんいけないのは

いちばんいけないのはおなかがすいていることと、独りでいることだから

サマーウォーズに出てくる栄おばあちゃんの有名な名言ですが、ホントそうだなあと思います。そして、これはたぶん法人についても言えることです。

おなかすいてると攻撃的になるし、独りでいると自分勝手になります。攻撃的で自分勝手になると、最終的に自暴自棄になってぜんぶ終わっちゃいます。

ちゃんと儲けられて、パートナーがちゃんといて。お金はいらない、仲間もいらないというスタイルは、わりと早い段階で限界が来るのは自明ではないでしょうか。

そんなわけで、先日は世界最強ヒノキ家具職人集団&森との調和がカッコイイ建築チーム&クリエイティブで暖かい営業部隊を抱えるようびさんにお邪魔させて頂きました。

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たくさん勉強させて頂きました。いかにして価値をつくっていくのか、つながりをどう作っていくのか。林業はまだまだできることがたくさんあるのが再確認できました。

家具にしろ建築にしろおもてなしにしろ、やっぱ職人はカッコイイ。そういう職人さんを支えられる、頼ってもらえる、そういう存在に僕たちはなる予定です。

どうぞ宜しくお願い致します。

山を持つひとたち

山というのは誰かしら所有者さんがいます。個人だけでなく、国やら企業やら。有名なところでいうと、富士山の山頂付近は浅間神社の所有らしいです。

でも意識されないですよね。山菜採りの時期なんかに、トラブルの話はちょくちょく聞きます。勝手にうちの山からとっていきやがって!みたいな話が特に。

山なんて行かないし、行っても区切りとか分かりづらいし。でかいし。山が誰かのものだというのは、普通の人はなかなか認識しないんですよね。わかる。

山主さん本人も意識してないことが多いです。話してみると「どこかに山を持ってるとは親から聞いてるんだけど…」みたいな方がかなりいらっしゃいます。

プロダクトオーナー不在の製品ほど恐ろしいものはないということは、きっと開発を行っている方ならわかってくれるはず。日本の山はわりとそんな感じです。

そこで僕らは自分自身プロダクトオーナーになってみながら、自覚的なプロダクトオーナーを増やす施策も試し試しで行っていく予定です。宜しくお願い致します。

そうなれば自然と山の魅力というのが花開くことになるので、スバラシー世界がやってきます。待ち遠しい。

なんか何が言いたいのかよく分からなくなりましたが、もし次に山を歩いたりされる場合は、ここは誰の山なのだろうかと少し意識してみてください。見える風景が変わるかもしれません。

教室を出て

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教室を出て授業を受ける、というのはいろいろあった気がする。小学校の時に下水処理場とかゴミ処理施設とか行ったような。公園とかちょくちょく行った気がするんだけど、放課後だったかな?アメリカでは確か中世のショーみたいなやつに行った。あれは社会科見学だった…はず。ただ遊びに連れて行ってもらっただけかな。覚えてない。中学生の時には国連本部へ行く途中で警官に止められ、ツインタワーが崩壊したとのラジオを聞いた。あの日の記憶は飛び飛びで定かでない。無神経な通訳をしてしまったことが今でも心残り。高校では藤原竜也のエレファントマンを観たと思う。あれは何の授業だったろう。地学実習で江ノ島かどこかの地層図かくレポートは最後まで出さなかった。なぜ落第しなかったのか。

残ってるものやそうでもないものもあるけれど、教室を飛び出た授業というのは良いなと思う。世界に触れるというのは強い経験で、強い経験を持っていると強く生きられる。その経験がひとつでは偏り折れてしまうこともあるかも知れない。でも幾つもあれば、きっと良くしなる、強い芯になるんじゃなかろうか。ベンチャーでも"get out of the building"というのは常に心得ておくべき警句だったハズ。

林業の記録をとっていく

ソフトウェア開発の世界では、生産性や品質を上げる仕組みについての議論が活発です。というかまあ僕の周りでは活発でした。様々な開発手法について勉強会が開かれ、これはこういう時に使うのが良いだとか、この手法を使う場合はこういうところに気をつけなければならないだとか。アジャイル開発とは、とか宗教論争ないし哲学的な話になることも多いですけど。

なぜ作るのか、なにを作るのかという問いに情熱的になるひとはマスコミなんかでよく見かけるのでそう珍しくないと思うのですが、どうやって作るのかに魂を注ぐコミュニティは比較的外に出てこないので、それを間近で感じられたのは本当に良い経験でした。特にエンジニアの方は個別具体のアプローチより仕組み化に意識が向くことが多く、そういう面でも勉強になりました。

林業でもそんなやりとりが活発化するのが良いと考えているのですが、林業は「やり方」のドキュメンテーションがほとんど行われないところに困難がありそうです。コードなんかと違って成果物も共有し辛いですし。いちいちデータの取得が面倒なんですよね。ソフトウェア開発がどんどん進化していくのは、そういう部分がラクだというのも大きいのかなあなんて思ったりしています。

とりあえず林業の作業に関するドキュメンテーションを少しずつ始めようと思います。まずは林業の本丸ではないですが、百森のやってる調査やら設計やら。