ワイルド・ワイルド・カントリーのすゝめ

とんでもなく素晴らしい理想を描く、あるカリスマがいます。そのカリスマの言うことは美しく壮大で、心から共感しているフォロワーが多く存在します。

カリスマの語る理想はあまりにも現実とかけ離れており、常識ではただの夢物語です。確かに良いんだけど、できないよね?と言われることばかりです。

しかし、フォロワーの熱量はそういった既存の世界のしがらみを突破していこうとします。戦いは熾烈を極めますが、それほどに価値のある理想なのです。

ある日フォロワー達は気付きます。既存の世界にわざわざ認められなくても、自分達の世界を作ればいい話なのだと。全く新しいコミュニティの誕生です。

他者の排除を目的とした、閉じたコミュニティではありません。誰でもその理想に共感すれば門をくぐることができます。全てを包み込む、暖かい世界。

現代においてコミュニティと言うと、バーチャルなものを想像しがちですが、そのコミュニティは現実に存在する、物理的なものになりました。村です。

ある田舎の一角に、そのコミュニティはできました。カリスマの理想を実現するために、各メンバーが独自に考えながら動く、生きもののような村が誕生します。

すごいことです。

…で、その辺から独自の武装警察配備、選挙による民主的な地域のっとり、バイオテロや要人暗殺みたいな話へと展開していく。そんなドキュメンタリーがあります。

おすすめです。いわゆる地域おこしやコミュニティ形成なんかに関わるひと、他所から何処かへ移住しているひとなんかは特に観て欲しい。

主にふたつの立場が取り上げられているんですが、どっちもヒドイしどっちも納得できる。"世界を変える"や"常識を覆す"といったことの、危うさ妖しさ面白さを僕は感じました。

人により違う視点で違う味わい方があります。ワイルドワイルドカントリー、だいぶおすすめ。