リベラル用ポルノと言われたりも

僕の好きな海外ドラマで「ザ・ホワイトハウス」というのがあります。原題は"The West Wing"と言い、アメリカにおける行政の中心、ホワイトハウスで働く人達の日々を描くドラマです。特に最初の4シーズンは今まで見たことあるどのドラマよりも完成度が高く、何度も見返してしまいます。

政治ドラマと言っても、最近の「ハウス・オブ・カード」みたいに恐ろしい陰謀が連綿と重なって…とかではなく、もっと行政というものに対して理想を描いた内容です。正しいことを成し遂げたい職員達が、政治の上でそれとどう向き合い、どう現実と折り合いをつけていくのか、というような話。

皮肉屋で冷静ながら誰よりも熱い気持ちを持つトビー、若くて向こう見ずでも理想への道筋は絶対に踏み外さないサム、報道官として”どう見えるのか”と”どうあるべきか”の間を生きるCJ、利害調整をする中でひたすら悩み抜くジョッシュ、そして彼等の中心にいる大統領と首席補佐官。皆格好いいです。

すべての人が納得するような解決策というのは存在しないし、何をやっても不平や不満は出てくるもの。それでも"no one gets left behind"、誰も見捨てないという意志を諦めはしない。諦めないことに、矜持を持っている。政府というのが、こういう気概を持った場所だと良いなあと思います。

最近は役場にいるので、実際にそんな戦いの現場を垣間見たりします。民間はもう少し独自のワガママのようなものを追い求める義務があると思いますが、山を扱う自分達も公共性が求められる部分は多く。やりたいことを最大限実現する。そのやりたいこと、の中に他人の幸せを含む度量は持っていたいです。

ア・フュー・グッドメン」や「ソーシャル・ネットワーク」のアーロン・ソーキンが脚本なので、会話のリズムがとても心地よいです。アメリカのドラマはだいたい第一話がその後も放映するかどうかを決める試験のようなものとして作られますが、これは第一話からの完成度が本当に凄いです。おすすめ。*1

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*1:そういえば以前もこのドラマから逸話を抜粋したのでした。