林業におけるスーツとギーク

出羽守にはなりたくないんですが、IT業界では云々というようなことを林業について思うことが結構あります。構造はちょっと違うんですが、ギークとスーツ抗争の話は林業でも雰囲気がスゴイ似てるなーと思うことがしばしばあります。

ギーク(geek)というのは、もともと技術オタクみたいな意味なんですが、実際にプログラムを書いていくエンジニアの方々を指します。スーツ(suits)というのは、そのままズバリの意味で、スーツを着るような職種のことになります。IT業界(特にシリコンバレー)は服装が自由なので、スーツだと目立つんですよね。

ギーク曰く「スーツの連中は技術も分からないのに適当なことを言う」。スーツ曰く「ギークの連中は商売の話が何も見えていない」。「スーツのせいで意味の分からないコードを書かされている!」「ギークのせいで納期や価格が成立しない!」とかいう話です。もっとも、最近はだいぶ解消された感はありますが。

その両者間にある雰囲気が、林業だと製材所と林業事業体の間にある緊張感と似てるなと感じています。「あいつら山のこともわからないのに!」「おいおい木を製品にするって意味わかってんのか?」みたいな。実際にチェーンソー持たれる方がギークで、原木を製材される方がスーツなイメージです。

IT業界という比較的上向きな業界ですらそういう対立は不毛だとされているのに、あまり明るい話題がない林業でそういう話をしててもしょうがないなーとは思います。根深い話なので、カンタンにサッと意識が変わるようなことはないとは言えど、なんとかそういう対立は無くしていきたいです。

ITでは、そういう違う立場間の意思疎通をどうやってやるかのプラクティスがいろいろ開発されていると思います。ドメイン駆動開発とか、アジャイルスクラムとかですね。林業でも、そういう立場が異なる者どうしでの、コミュニケーション自体を設計する!という意識を持てると良いのかな、と夢想しています。

まあとりあえずで言うと、スーツ側の立場で関わることになる人間としては、やっぱり技術に関する理解をもっともっと深める(体得する)しかないのかなとは思います。チェーンソーや重機は、最低限扱えるようにならないと。個人的にはかかり木恐怖症、枝払い面倒くさい病を治せればと思います。

ご指導よろしくお願いします。