林業をものっっそく狭義にビジネスとして考えると「丸太をつくる」仕事なわけですが、山からどうやって丸太が出てくるのかというのは、わりとイメージつきにくいです。
僕自身、去年ここに来るまで全然ナゾでした。木を伐るんだろうなくらいしか分からないので、いわゆる「木こり」な姿くらいしか想像できませんでした。映画も見たりしたけど。
実際の現場みると、意外と木を伐る部分は全体の中で占める割合は低かったりで、結構印象が変わりました。なので「丸太をつくる」仕事の流れをカンタンに説明します。
こんな感じ。この中の「開設」というのは作業道をつくる作業なんですが、そもそも道をつくる必要がある、という時点で驚くひとが多いです。ひとつひとつ見ていきます。
木の状態を確認したりするのはモチロンですが、作業道がいれられるかどうかも調べるのも大事です。他所ではデータだけで現地調査しなかったり、という場合もあるらしいです。
データが揃ったら、道や間伐範囲の設計を行います。図面に落としながら困難そうなことが分かったり、もっと情報が必要になったり。調査と設計はいったりきたりが多いです。
木を伐って、丸太の形に整えるのはチェーンソーだけでも可能ですが、市場へ運び出すことを考えると道が必要です。道も周りも傾斜だらけなので、水の処理がかなり大事&大変です。
ここが「林業」という言葉でイメージする工程ですね。チェーンソーではなく、ハーベスターやフェラーバンチャという機械で行う場合もあります。プロの人はホント早いし正確。
木は斜面に倒れるわけですが、それを道際まで持ってきて*1、丸太にしていきます。プロセッサーかハーベスターという機械でやることが多いですが、だいぶ派手なので見て欲しい。
ある程度は丸太にした時点でもまとめますが、山のあちこちに丸太がある状態になるので、それをトラックの入れる道の近くまで集めていきます。この工程も特殊な機械が必要。
後はトラックに積み込んで最終土場へ運びます。村内でも、たまに丸太を積んでるトラックを見かけるはず。ちなみに積んだり降ろしたりも、グラップルという機械が必要です。
適当に並べておいても買ってくれる人はいないので、品質や規格によって仕分ける必要があります。ここで正しく仕分けられるかどうかが、買う側との信頼関係の基礎になってきます。
ものすごーくザックリでしたが「丸太をつくる」仕事はこんな感じかなと思います。山によって作業方法や、工程そのものが違ったりします。ヘリで運び出すなら道とか不要ですしね。
意外と工程が多くてそれぞれ特殊ながら連携してるので、僕はイメージが「職人ワザが大事な個人仕事」から「全体最適が重要なシステム運用」に変わりました*2。いや職人芸もめっちゃあるんですけど。
ほかにも「林業」には新植や下刈り枝打ちなんかもありますし、山主さんとの契約や、将来の計画つくったりする仕事とか、道の補修やらいろいろありますが、とりあえず少しでも「丸太をつくる」部分のイメージが湧いたら幸いです。
いつもどおり、ツッコミやご質問は大歓迎です。どうぞ引き続き宜しくおねがいします。
資料はコチラ。