お前ら山をナメてるよな

4月に西粟倉村へ来てからずっと「山ナメてんのか」と言われ続けています。

そりゃあ、東京で生まれ育った人間が林業に関わりたいですって言ったらそうなります。実際ナメてるんだと思います。いかに大変なのかという部分にはまだ全然触れていませんので。頭では分かっても、心からは全然なことばかりです。

それでも、何年もやって来られた方には、心からの敬意を抱いているつもりです。浅いよ!見えないよ!とよく言われるってことは、きっと敬意の深さが足りないということなんだと思いますが…でも本当に尊敬してるんです。本当ですよ!

ただ、原体験もなく、その上ゼンゼン違う世界にいたものですから、山をずっとやってきた方と同じ風景を見ることは叶わないんだろうなと感じています。いつまで経っても、山については外様の人間なんだろうなと。残念ではありますが。

もちろん、それに甘えて、何も知らなくていいや!というのは全く違うと思っています。山に関わる者の最低限の礼儀として、一通りは体得して必死こいて汗をかき続けたいです。同じ風景は見えなくても、共通言語は持っていないとお話になりませんから。

IT業界ではケッキョク満足にはできませんでした(周りの優秀さに甘えてしまいました)が、最低限のレベルをめっちゃ落とすと、企画職でコードは書けなくてもコレくらいはクスってできるようにならないと…という話だと思ってます。

しかし。外から来た人間として正しくナメていく必要もあるんじゃないかと感じています。新しい視点を入れるって、そういう「ナメてんの?」みたいなことに取り組めるという価値なんじゃないかと思ったりもしているので。言い訳ですが。

Uberがタクシー業界から、AirBnBがホテル業界から、Teslaが自動車業界から「ナメてんの?」って言われるみたいに。よそ者として、ある程度そういう常識を破壊するということで価値を出すということに従事できればと考えています。

ジョブズのスピーチにある、馬鹿げた人間であれ(Stay foolish)、というのはそういう意味なのではないでしょうか。多分なんですけど、馬鹿げた人間というのは、世界から「ナメてんの?」って言われる人間なハズです。さすがに我田引水すぎますかね。

当然、あくまでも馬鹿げた人間であって、ただの純正なる馬鹿ではいけませんが。

既存の世界を心から敬愛しながら、自分の身の程を正しく推し量りながら、自分がそういう風に言われることをしているなという覚悟をもって、「ナメてんの?」って言われつつも、馬鹿げたことをしていく矜持を持っていたいです。

おこがましい話ばかりですみません。反感を買いながらも、実績を売ることで収支を合わせていければと思います。今からしばらくずっとは、赤字経営です。いつかはあんまり買わずに、たくさん売りたい。