西粟倉のスギは1,282,372本

西粟倉村およそ58平方キロメートルの中に生えているスギの本数は、昨年時点で130万本弱でした。データ上は1,282,372本。以下に幾つかグラフを掲載します。

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順に樹高、径級、単木あたり材積

百年の森林構想では不良木をとる定性間伐を基本にしているので、このうち悪いものを中心に出材しています。明らかに、大径木まかせろ!って感じではないですね。歩留まりもあるし。

この森を満遍なく手入れするとなると、だいぶ原木生産的にはツラいです。細い木は安いので。最近は太ければ高いという訳でもありませんが、費用対効果もかなり違います。

道は結構あるので、時々テキトウに良いものを見繕い、選択的に伐るとかすれば多分そこそこ儲かります。その場合50年後に山がどうなってるかは、全くもって闇の中ですが。

もちろん2058年の世界がどうなってるかなんて想像もできないので、50年後を考えてもムダ的な話はあります。日本家屋が基本だった50年前の常識が今では全く通用しないように。

ただ個人的にひとつ指針にしたいのが、安定性です。一定規模以上の製造業において、不安定な原料供給というのは大敵です。それは現代も、50年前も変わりません…よね?

一品モノ勝負なら別ですが。まあこの分野もVUILDさんみたいな芽が出つつあるかもです。しかし、仮にそれが未来を席巻しても、安定性の価値は下がりこそすれ、敵にはならないハズ。

そんな訳で、さっき満遍なく手を入れるのはツラいと書きましたが、何かしら解決していきたい所存。補助金まみれだと間伐率もそっちに引っ張られますし。そのうち何か見つかるはず。

とにかく。そんな淡い仮説を立てて、少しずつ濃度を上げつつ、死んだ後の未来に思いを馳せる。広葉樹とか多様性あった方が"強い"森になるよね?とか妄想したり。山は幾らでも考えるべき側面があります。

こういうところが、自分の性格的にこの仕事あってるなーと感じるとこです。曖昧ですが。最近は山を経営することの醍醐味はこの辺にあるんじゃないか、とすら考えたりもしてます。曖昧ですが。

なお、1年未満で何を!というツッコミは諸手を挙げて歓迎致します。

そんで、こんなことを考えるにあたり、現状のデータは持ってないと多分何も出来ないので、それをやった西粟倉エラい。引越し当時は大して意識してませんでしたが、最近ひしと感じます。

そのうち情報は誰でも扱えるよう公開していきたい。です。