道路愛護デー

今日は西粟倉で「道路愛護デー」にともなう道路掃除がありました。住民総出で道路掃除をします。都会のみなさんは、グリーンバードのゴミ拾いをイメージしてもらうと良いかも知れません。ただ手に持つのは空き缶を片付けるトングではなく、道へ侵入してくる雑草と戦う刈払機ですが。「チュイーーーン」と音を立てながらみんなで頑張ります。

これはたぶん、地域を維持するコストというのを直接的に住民が負担する仕組みなんですよね。都会だったらプロにまかせてお金を払っておしまいだったりすることがホトンドですが、田舎は人口もお金もあまり無いのでかなり直接的なカタチで住民がそのコストを支払わないと維持できない。

ただ都会でそんな経験がない人からすれば、そのコストがかなり過大なものに感じられることも多いと思います。なんで俺がわざわざ道路掃除を?っていうのは都会だとわりと自然な思考ですから。田舎は謎のしきたりがあるから嫌だというのは良く聞きますし、人口流出の要因だったり、移住を困難にしている原因のひとつだったりするんでしょう多分。

そうして田舎の人口が減ると、加速度的に地域を維持するために支払う一人あたりのコストは上がっていきます。西粟倉消防団の定年が上がり続けているのは、たぶん良い事例。これからも人口の二極化は進むと思うのですが、地域を維持するコストはきっと天井知らず。何もしなければ待ってるのは破滅です。

つまり田舎を維持するには、コストの支払い方法を公正で効率的なものにするのはもちろん、コストを支払うことで得られる価値をしっかりと提供しなければなりません(もしくは根本から構造を変えるか)。そしてコストを払うことで主に得られるのは「地域への所属感」だと思います。この場所に住んでてよかった、というやつ。その価値を上げるのは雇用だったり、文化だったり。

山や森といったものがそれに見合う魅力になるには、どうしたらいいだろうか…みたいなことを考えながら溝掃除をしてました。なかなか難しいですが、きっとあるだろうなあという気がしてます。気のせいじゃないと良いなあ。