CEOがデジタル化で陥りやすい10罠

マッキンゼーの記事で「デジタル化を目指すCEOが避けるべき10の罠」みたいなのを読んだんですが、コレ多分CEOじゃなくてもっといろんな人に、デジタル化じゃなくていろんな場面で有効なアドバイスなんじゃないかと思います。

まあ逆に抽象的すぎて大したアドバイスじゃない、っていう気もしますが。ざっくりまとめます。

はじめに

大きな変化により得られる成果は巨大だが、失敗すると時に致命的である。だが「全てが把握できていると思えるうちは、スピードが足りていないと思え」の言葉通り、変化は避けるべきではない。デジタル化はそういうものである。その時に、陥りやすい落とし穴について分析した。

1. 注意深くなりすぎる

小さな変化を積み重ねることでデジタル化への波に対応しようとするのは、タイタニック号で甲板の椅子を並べ変えるようなものだ。良い企業は、大胆で破壊的な戦略で成功することが多い。失敗を成長の糧と捉えられる文化を作り、より多くのリスクを取るべきである。

2. 知らないまま恐怖する

情報が不足すると人間は経験や勘に頼ってしまう。重要なのは自らについて正しく分析し、デジタル化に何を求めるのか、ビジネスとしてどこに最も価値があるのか、構造的な困難は何かを知ることである。なお無知の状態から脱するため、ハッカソンなどの試行は有効。

3. 焦点があいまい

百花繚乱を目指すあまり、資源の投入が適切に行われなくなる企業が多い。企業の持つポートフォリオを常々監視し、不要であるものを冷徹に切り捨てる必要がある。無意味な部門への投資を防ぐため、顧客のニーズを把握し最も効果の大きい部分を探すことから始めるべきである。

4. 資金が途中で不足する

デジタル化は、3ヶ月程度で投資の回収ができるものを選択するべきである。既存のツールや情報を用いて、やり方を変えるという手法を取ることでこのような成果を出せることが多い。多くの場合、変化後の成果は1週間もすれば見えてくるだろう。

5. 人材がいない

デジタルへの組織的対応力を育てるために必要な時間や資源は過小評価されがちである。担当者が必要なことは理解されるが、どのような人間がどの程度必要かは理解されない。解決されるべき課題を把握し、そのために必要な人材への投資は躊躇してはならない。

6. 制御が上手くいかない

素早さや速度はデジタル化に必須だが、正しく方向を定めなければすぐに混沌と化してしまう。多くの企業は利益などのKPIを設定するが、それではデジタル化による効果なのか不明である。細やかな効果測定は重要だ。なお制御のために柔軟性を損なってはならない。

7. 学習しない

学習を止めることは変化の失敗を意味する。実験や間違いを許容し、そこから学ぶという文化を持つべきである。しかし、効果的な学習は自然に起きるものではない。組織内でどのような学習が行われているのかを透明化し、その結果を共有する努力が必要である。

8. 変化に対してやる気がない

新しい取り組みへの資源を確保するのは何とか可能かも知れないが、組織において変化への意志を持ち続けるのは別次元の困難さである。達成感を得られる短期的なゴールを設定すること、見るべきKPIを制限すること、人事的な報酬を設定することでエネルギーを保つことができる。

9. 一人で実施してしまう

過去の世界ではいかにして自らが所有し他者を排除するかが重要だったが、新しいデジタルの世界ではいかにしてパートナーや業者などと関係を持つかが重要である。これは変化の迅速さにも貢献する。協調するには、自らが何を持っており、何を必要としているのかを理解する必要がある。

10. 時間をかけすぎてしまう

競合が反応する前に素早く対応することが重要だ。自動化可能な部分は自動化し、情報の共有化を行い各チームが勝手に対応できるようにする。素早く対応するためには、完璧に実施するよりも対応すること自体に集中するというのも大切な考え方である。